日経記事「金融円滑化法の結末」

日本経済新聞 企業信用調査マンの目という連載で

2015年12月16日
『倒産減の裏に「ゾンビ企業」 金融円滑化法の結末』
という記事が掲載されています。

要約すると、

『金融円滑化法の下、業績悪化により返済をストップしたまま、再建の見込みが立たない中小企業が数多くある。

今後、信用保証制度の見直しにより、リスクを取れない経営不振先は資金を借りられないことになりかねない。』

というものです。

多くの中小企業は、借入金の年間返済額に足る営業キャッシュフローを稼ぎだせないため、減債反復資金や返済しわ補填資金と呼ばれるような新規借入で既存借入を返しながら、徐々に借入総額を減らしていくという形で資金繰りを組んでいます。

例えば、こんなイメージです。

減債反復借入イメージ

3000万円の借入を行っていた場合、借入期間5年とすると年間600万円の返済負担が発生します。

しかしながら、100万円の営業キャッシュフローしか稼ぐことができなかった場合、500万円の資金不足が発生します。

そこで、500万円の借入を翌年新たに行うとすると、借入総額は、2900万円、年間700万円の返済負担となります。

返済負担を営業キャッシュフローで賄えない部分については、資金を融通してこなければならない。

このための借入を減債反復資金や返済しわ補填資金という名前で呼びます。

 

この減債反復資金・返済しわ補填資金と呼ばれるような借入について、信用保証協会保証付き融資に頼っている場合、保証割合が減額されることにより、借入が困難となる可能性が高まります。

つまり、保証付き融資のみの借入を行っている中小企業にとっては、資金調達環境が大きく悪化する懸念があるのです。

今のうちに考えておくべきことは、金融機関より保証付き融資でない、プロパー融資を借りることができる状況と作っておくことです。

 

そのためには、今、金融庁主導で進めている『事業性評価による融資』という考え方をきちんと把握しておく必要があります。

保証制度の見直し、事業性評価という2つの仕組みは、実質的には継続している金融円滑化法下での中小企業金融の出口戦略なのでしょう。

 

『最近、金融機関から、自社の強みとか事業計画とかを頻繁にヒアリングされるようになった』

 

そんな中小企業経営者の方の声を今後、多く聞くことになりそうです。

 

記事一部抜粋

参考までに、同日経記事を一部抜粋すると・・・

『リーマン・ショックとその後の急激な円高で製造業の下請け企業を中心に資金繰りに窮する会社が続出。

バブル崩壊後に次ぐ倒産急増となった。

事態を重く見た当時の民主党政権は企業の借り入れに対して返済を猶予する円滑化法を導入。

「モラルハザードを引き起こす」と反発する声もあったが、それを押し切ってのことだった。

期限付きだったものの2度延長。13年3月に終了するまでに円滑化法を活用した企業は約40万社におよんだ。

その結果、一部の中小企業は不渡りや長期延滞を回避して経営を立て直し、返済を再開した。

一方、円滑化法は「借りたお金を返す」という借り手、貸し手にとって当たり前のルールを大きく変えた面があった。

こうした状態は現在も続いている。その結果、続出しているのが返済がストップしたまま、再建の見込みが立たない企業だ。

こうした会社はゾンビ企業とも呼ばれる。

・・・

中小企業庁は11月に中小企業政策審議会に金融ワーキンググループを立ち上げ、信用保証制度の見直しに着手。

信用保証制度とは金融機関の貸し出しを国が保証するものだ。

リーマン・ショック対策として100%保証を幅広い業種に実施し、経営不振企業への貸し出しを支えてきた面がある。

これを見直せば、リスクを取れない経営不振先は資金を借りられないことになりかねない。』

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95089630U5A211C1000000/

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