補助金活用後の収益納付について

「補助金を貰って設備投資をしたけれど、儲かったら補助金を返さなければならないの?」

 

そんな質問を受けることが多くあります。

 

特に、平成24年度補正予算、平成25年度補正予算、そして、現在、平成26年度補正予算で実施される「ものづくり補助金」について、各予算で、概ね1万社の企業が補助金を獲得しているため、このような疑問を抱く企業の経理の方も多いのではないでしょうか。
 
『補助金を使って行った事業で儲かったら、補助金を返さなければいけない』

 

これは、収益納付と呼ばれており、「平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」の場合、交付規程の第22条にこの記載があります。
 
『補助金交付規程 第22条(収益納付)
○○※地域事務局は、事業化等状況報告書により、補助事業者が当該補助事業の実施結果の事業化、知的財産権等の譲渡又は実施権の設定及びその他当該補助事業の実施結果の他への供与による収益が生じたと認めたときは、補助事業者に対し、交付した補助金の全部又は一部に相当する金額を○○地域事務局に納付させることができるものとする。』

※○○は、都道府県名が入る。
 
この収益納付については、補助事業終了後5年間にわたり、地域事務局に対して提出が必要な「事業化状況・知的財産報告」により決定がされます。
 
これまで、事務局に問い合せても、なかなか個別具体的な報告方法、算定方法を回答頂けなかったのですが、

平成24年度ものづくり補助金については、補助事業完了事業者に対し「事業化状況・知的財産等報告システム」の活用が示唆され、

 

全5回の報告対象期間

1回目:交付決定日~平成27年3月31日
2回目:平成27年4月1日~平成28年3月31日
3回目:平成28年4月1日~平成29年3月31日
4回目:平成29年4月1日~平成30年3月31日
5回目:平成30年4月1日~平成31年3月31日

について、対象期間終了後~同年6月30日までに、システムから様式を出力し、地域事務局に書類を提出することで、事業の実施状況、及び、収益納付の金額について、報告する形となっています。

 

事業化状況・知的財産等報告システムについて

このシステムで算定する収益納付額の考え方は以下のとおりです。
 
まず、補助事業完了後に事務局に提出する「補助事業実績報告書」により、

・補助事業に要した経費(税込)

・補助金確定額

が確定します。

ここでは、「事業化状況・知的財産等報告システム 操作マニュアル」記載内容に準拠し、

・補助事業に要した経費:15,750,000円

・補助金確定額(A):10,000,000円

としましょう。

 

次に、本事業に係る本年度売上額は、報告対象期間の売上を計上。

売上にかかる原価を原価算出表から計算し、売上にかかる1個あたりの原価を算出。

売上から原価を差し引き、本年度の収益額を算出します。

マニュアルでは、売上金額が8,295,000円(10個)、

1個あたりの原価が、229,500円であることから、10個で2,295,000円。

売上8,295,000円-販売原価2,295,000円=本年度収益額6,000,000円(B)となります。

 

この数字を基礎に基準納付額を算出するのですが、
具体的には、

本年度収益額(上記6,000,000円)(B)から、

控除額(C)(補助事業に要した経費(15,750,000円)-補助金確定額(10,000,000円)=5,750,000円)

を引きます。

この場合、本年度収益額6,000,000円(B)-控除額5,750,000円(C)=250,000円 となります。
 
次に、これに補助金確定額(10,000,000円)(A)を乗じ、「本年度までの補助事業に係る支出額」(D)で除し、

これを基準納付額とします。

「本年度までの補助事業に係る支出額」(D)とは、補助事業が完了した際に提出する「様式第6 補助事業実績報告書」の経費支出に則り、計上した経費となります。

ものづくり補助金において、設備投資のみの場合、この「本年度までの補助事業にかかる支出額」は記載しないものです。

マニュアルでは、本事業終了後までに追加で3,000,000円の自己負担額が発生していますので、
補助事業で要した経費15,750,000円+3,000,000円=18,750,000円が「本年度までの補助事業に係る支出額」となります。
 
つまり、基準納付額(E)とは、

収益額から自己負担額を引いて、事業費用に占める補助金額を掛けるて計算するものです。
※E=(B-C)*A/D

事業化状況・知的財産等報告システム 操作マニュアル p.13 抜粋

 
基準納付額を計算した後は、過去の収益納付額の累積に、基準納付額を足して、補助金確定額(この場合10,000,000円)を超えなければ、基準納付額が今回の収益納付額となります。

過去の収益納付額の累計と今回の基準納付額を足して補助金確定額を超える場合は、補助金確定額に達するまでの金額が、今回の収益納付額です。

 

よって、報告初年度については、補助事業において、補助金の自己負担額を補助事業の利益が上回った場合、収益納付が発生し、

報告次年度については、初年度、次年度の収益の累計が補助事業の自己負担額を上回った場合、収益納付が発生します。

 

補足説明

分かりづらい点として、収益納付額を計算する事業年度がいつなのかという点があります。

報告対象期間が3月31日であるため、3月31日を基準として計算するようにも読めますが、

ヘルプデスクセンターに確認したところ、対象企業の会計年度を基準とするとのことでした。

仮に、6月末決算の会社の場合、平成27年3月31日の報告対象期間については、平成26年6月末の会計年度において、上記収益納付を計算することとなります。

生産転用のタイミングも収益納付の計算に関わってきますので、どの期間で収益納付額の計算をするのか、注意して報告書を作成しましょう。

また、補助金の採択支援をする中で、パソコン入力が苦手な企業様も多く見られました。

パソコン入力が苦手な企業様は、なるべく早い段階から「事業化状況・知的財産等報告システム」に触れ、入力方法について不明な点は、随時ヘルプデスクに問い合わせ下さい。

ちなみに、平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の完了企業については、平成27年6月30日が第一回事務局への書類提出期限になります。

平成24年度ものづくり補助金対象企業の方は、ご留意下さい。

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